猫に小判、抹茶に羊羹

役に立つことは多分ない。美味なるものには毒がある

「今後、女性の自殺対策のさらなる充実が必要」といういかがわしさ

「自殺による損失額 減少も…女性は“増加”」

http://www.news24.jp/articles/2017/03/23/07357216.html

 という、いかにもいかがわしい臭いが漂う記事が流れていた。

「仮に自殺せず正規労働者として働いた場合の生涯所得の損失額を推計し自殺者の数を掛け合わせて、自殺による社会経済的損失額を推計したもの。」

という話だけど、そこで2005年との比較で、男性の経済損失額は減ったけど、女性の損失額は増えているという話をしている。女性の賃金増加、就労率の上昇があるのは間違いない。

 

 この結果では自殺者数の推移がわからない。とりあえずH26年までの結果で見るとこんな具合。

https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/H26/H26_jisatunojoukyou_03.pdf

で、男性の自殺者数は0.7倍、女性も0.8倍くらいに減っている。そう、「減っている」のだ。それでもなお、男性の自殺者数は女性の3倍以上いる。

 

 この記事の珍妙なところは、経済損失の額も無視して、単なる増減値をもとに「今後、女性の自殺対策のさらなる充実が必要と話した。」と結んでいること。経済損失の増減を問題にするなら、「賃金抑制しろ」というのが正しいということになってしまう。また、経済損失を前面に押し立てるなら、所得による命の差別化をしていることにもなる。収入の少ないやつは自殺してもかまわないのだということにもなっていくではないか。

 経済損失という数字の、しかも比率を無視した増減に摩り替えて、今現在でも3倍以上もある男性の自殺を食い止めることを軽視するがごとき発言を、良くこんな立場の人間がするものだ。男性は自殺してもかまわない、それが「自殺総合対策推進センター」とやらのお仕事なのだろうか。

  おおかた、このレポートを元にして「女性支援」を大義名分とした補助金の類を得よう、予算を分捕ろうという魂胆があるのかもしれない。なにせ「女性」を冠をつければあれもこれもと予算を分捕りやすいご時世である。得られたデータの数字をなんとかこねくり回して都合の良さそうな数字をひねり出して予算の提案をしていくというのが、下品な公的機関だということもわかるが、よくもまぁ、こんな数字で人を誤魔化そうとしたものだし、それをそのまま垂れ流す報道というのも、いったいどういう矜持を持って仕事に望んでいるのだろう。