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猫に小判、抹茶に羊羹

役に立つことは多分ない。美味なるものには毒がある

「男女の賃金格差」の胡散臭さ

 さて、これまたあちこちで目にするのが「女性の平均所得が男性の7割程度だ。これは差別によるものだ」という類のもの。

 先日も引用させてもらった、ビジネス誌「プレジデント」のサイトの記事にあった正規社員の平均年収グラフ

http://president.jp/articles/-/20926?page=4

 を見ると、未婚者に限ると男女とも同じようなカーブを描いている。20代で250万円前後で、50歳あたりで500万程度と、ほとんど変わらない。

 大きく違うのは既婚者の平均で、男性が680万円程度まで上がるのに、女性は未婚者よりも下がっていって400万円に届かないくらいとなる。これは正規雇用だけのデータなので、いわゆる「女性は非正規雇用が多いから」というのは当てはまらない。

 年齢が上がれば既婚者の比率が高くなっていくので、「平均」した賃金格差は広がるのはこのグラフから見ても一目瞭然というところだ。

 

 さて、ここでニューズウィーク誌のサイトにあった年収別の生涯未婚率

http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/09/post-3882_2.php

を見てみる。

非常に良くわかる傾向として、男性が収入が高いほど未婚率が低く、逆に女性は未婚率が上がるという傾向が見られる。

 もちろん、これだけだと「結婚すると高収入をめざさなくなるから」とも言えそうだけど、

ここに、男女の職業別の未婚率

http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/09/post-3882.php

をみると、もともと高収入な職についている女性は結婚しないん(あるいはできない)んじゃないかという予想がでてくる。

そして、男女別の職業を調べた、内閣府の調査

http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h25/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-05.html

を見ると、女性の場合、一般事務やサービス職が非常に多いなど、職業に偏りが見られる。男性がほぼ万遍なくいろいろな職についているのとは対照的である。

そして、職業別の賃金は?というと、ちょっと手ごろなものが無かったので結構適当だけど

https://www.hatalike.jp/h/r/H1ZZ280s.jsp?hp=%2Fresearch%2Findex.html&noRedF=1&__u=1489191898724-2303909657631850434

こんな感じで、一般事務というのはあまり給与水準は高くない。どちらかというと女性に敬遠されがちな「ガテン系」は高い水準にあったりもする。

 

 ということから整理すれば、この男女の賃金格差というのは、職業ごとの賃金の差が反映されているのだと言う方が正しいだろう。

 

 既婚女性の賃金カーブが下がっているのが問題だという向きもあるかもしれないが、そもそも「職業」による差があるのは当然であるし、仮に同じ職業であっても、既婚女性の場合、男性のように大黒柱的な役割を期待されることもないのでそれほどあくせく働く必要性がなかったりもするだろう。いわゆる「家庭との両立」となれば、やはり目先の収入より少し時間の融通がきくような職種を選ぶというのも頷ける。もちろん、バリバリとキャリをを積みたいという層もあるだろうが、近年特に若い層に広がっているといわれる専業主婦志向や、現実に仕事から逃げるための結婚を夢見ている層が相当程度いる。

 バリバリキャリア志向以外はおかしいなどと言うのは、全体主義のようなものだ。

 

 こうしたことを踏まえて改めて考えてみると、高収入な男性と低収入な女性が結婚する形になるので、既婚者の平均年収が下がるのはあたりまえだ。そして、中間層あたりになるので、未婚者の男女の収入差は小さくなることになる。

 抜けていく(結婚していく)人が増えるほど男性の平均給与は下がり、女性の平均給与が上がるという形になることから考えると、アラサー、アラフォーな女性が「(主に収入面をとりあげて)良い男性がいない」というのも至極当然なことである。

 

 もし、女性が配偶者の収入を期待する結婚をしたいなら、若いうち・・つまり自分の給与が上がっていく前にしたほうが賢明であるということになるだろうし、ある程度年齢がいったなら、自分と同等、またはそれ以下の収入の男性を視野に入れなければ駄目ということになる。