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猫に小判、抹茶に羊羹

役に立つことは多分ない。美味なるものには毒がある

高齢者事故報道の嘘

社会

高齢ドライバによる事故が急激に増えていて、事故率も高いかのようなイメージ報道がキャンペーンのごとく行われている。これも疑問だらけである。

https://www.npa.go.jp/toukei/koutuu48/before/hasseijokyo/PDF/H26hasseijokyo.pdf

の、25ページの図を見ると一目瞭然で、免許保持人口あたりの事故率でみれば、30歳以下の若者が圧倒的に多く、それ以上の年齢では事故率はほとんど変わらない。ただ、免許保持人口が増えている分だけ、お年寄りの方が事故件数は多くはなる。

 そのすぐ下の死亡事故件数は多いではないかという指摘もあるだろうが、事故件数との数字を比べればわかるとおりで、絶対値が桁違いに少ないのだ。

 

 また、交通事故死者数を引き合いに出すことも良く行われるようだだ。

http://www.garbagenews.net/archives/2047698.html

 このように、お年寄りの死亡事故を大きく扱うのだけど、ずっと下の方までいって、状態別の資料を見ると、実は「歩行中」や「自転車乗車中」・・恐らくは被害者となって亡くなっているケースが半分以上だということがわかる。

 

 さて、更にここから駄目押しをする。お年寄りの運転で、信号無視などが多いことから、認知機能の低下と結びつける傾向が強い。先のリンク先でもそんなことが書いてあったりする。が、ここで日産が面白いレポートを出している。

http://www.nissan.co.jp/INFO/AUTO_TRANS/AUTO_TRANS99/PDF_J/p12_13.pdf

最後のまとめのところだけ見ても良いと思うけども、

女性ドライバの事故の特徴は

「昼間」に「交差点」で
「直進(等速)」「右折」時に
「信号無視」「安全不確認」等を犯し
「自動車」に「出合頭」ぶつかる。

ということ。一方で、高齢ドライバの事故の特徴は

「昼間」に「交差点」で
「直進(等速)」「右折」時に
「信号無視」「一時不停止」等を犯し
「自動車」に「出合頭」ぶつかる

ということで、両者は非常に良く似ている。ほとんど同じといって良いくらいだ。

「このような特徴が出る原因を、加齢に伴ない視界中の信号や標識を認識できなくなるせいではないかとしていたが、女性ドライバーは若いうちから特徴が出ており、原因が違う可能性がある。」

と、まとめで触れているとおり、原因は加齢によるものではない可能性を考えるのは当然のことだが、そのような発言は少なくともテレビなどでは見かけない。あくまでも加齢のせいだと決め付けているのは何故だろう。「女性下げ報道は禁物」ということなのだろうか。そういえば、加齢臭騒動も、実は女性のほうが加齢臭が強いとわかったとたんに一気に沈静化して、今度は「男脂臭」だなんて変な言葉を作ろうとしていた。どこまで卑怯なのだろう。

 それはともかくとして、一番最後に触れている

「いずれにせよ、赤信号や停止線に対応した自動ブレーキシステム等のITS技術は有効と思われる。」

というあたりにお金の臭がしてくるのは読みすぎではないだろう。

「今後、女性の自殺対策のさらなる充実が必要」といういかがわしさ

社会 男性・女性

「自殺による損失額 減少も…女性は“増加”」

http://www.news24.jp/articles/2017/03/23/07357216.html

 という、いかにもいかがわしい臭いが漂う記事が流れていた。

「仮に自殺せず正規労働者として働いた場合の生涯所得の損失額を推計し自殺者の数を掛け合わせて、自殺による社会経済的損失額を推計したもの。」

という話だけど、そこで2005年との比較で、男性の経済損失額は減ったけど、女性の損失額は増えているという話をしている。女性の賃金増加、就労率の上昇があるのは間違いない。

 

 この結果では自殺者数の推移がわからない。とりあえずH26年までの結果で見るとこんな具合。

https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/H26/H26_jisatunojoukyou_03.pdf

で、男性の自殺者数は0.7倍、女性も0.8倍くらいに減っている。そう、「減っている」のだ。それでもなお、男性の自殺者数は女性の3倍以上いる。

 

 この記事の珍妙なところは、経済損失の額も無視して、単なる増減値をもとに「今後、女性の自殺対策のさらなる充実が必要と話した。」と結んでいること。経済損失の増減を問題にするなら、「賃金抑制しろ」というのが正しいということになってしまう。また、経済損失を前面に押し立てるなら、所得による命の差別化をしていることにもなる。収入の少ないやつは自殺してもかまわないのだということにもなっていくではないか。

 経済損失という数字の、しかも比率を無視した増減に摩り替えて、今現在でも3倍以上もある男性の自殺を食い止めることを軽視するがごとき発言を、良くこんな立場の人間がするものだ。男性は自殺してもかまわない、それが「自殺総合対策推進センター」とやらのお仕事なのだろうか。

  おおかた、このレポートを元にして「女性支援」を大義名分とした補助金の類を得よう、予算を分捕ろうという魂胆があるのかもしれない。なにせ「女性」を冠をつければあれもこれもと予算を分捕りやすいご時世である。得られたデータの数字をなんとかこねくり回して都合の良さそうな数字をひねり出して予算の提案をしていくというのが、下品な公的機関だということもわかるが、よくもまぁ、こんな数字で人を誤魔化そうとしたものだし、それをそのまま垂れ流す報道というのも、いったいどういう矜持を持って仕事に望んでいるのだろう。

 

障害児を持つということを考えていますか?

社会 恋愛・結婚

さて、少々重いお題ではあるけど、初婚年齢の上昇とともに初産年齢も上昇しているので、多分避けては通れない。「害」の字がよろしくないということで、「障碍」と書く風潮もあるけど、別に意味は一緒だし、そんなところで言葉狩りのようなことをするほうがよほど障害を持った方々を見下しているような気もするので、ここでは”障害”で通す。

 

 よく言われるとおり、卵子は一度作られたものがずっと温存されていくので、卵子も老化していく。こんなことは中学生くらいの時から既に知っていたけれど、NHK卵子の老化が指摘されるまで「知らなかった」という女性が多数いることにこちらが驚いた。

 これに伴って・・なのだろうけど、流産したり生まれた子供に先天的な障害があるというケースがずいぶん増えてくる。

http://xn--gck8b9hu42y.co/kakuritu/gurafu/

 ダウン症というのは、良く知られるようになったけど、染色体異常はダウン症だけではない。20台なら400人から500人に一人程度だったのが、40歳になると50人に一人になり、更に加速度的に増えていく。つまり学校の1~2クラスに1人くらいの比率だ。もちろん、これ以外の先天的な疾患も増えることは容易に想像がつく。

<HR>

 話題休閑

 一時期フェミニストさんたちの反撃(?)で、精子の劣化(精子の場合には毎回製造されるので)もあるということがことさら取り上げられたこともあるけれど、精子の場合大量に作られて、しかも数々の関門をくぐって卵子までたどり着かないと妊娠に至らない。もともとデキの悪い精子はスクリーニングされてしまう形になるので、先天異常に対する寄与率はもともと低く、比率として増えても(たとえば1/100だったのが2倍になっても2/100になるだけ)やはり卵子の問題の方が圧倒的に大きいということが指摘されるに至って、このヒステリックな反撃も沈静化したようでもある。

 そういえば、加齢臭騒動の時も、散々男性をたたくような真似をしていたけど、実は男性の加齢臭は加齢とともに減少するけど、女性は増えていって、男性よりきつくなるという事実があかるみに出たとたんに沈静化した。女性にとって都合の悪い真実というのはいつも隠蔽され、都合の良いことだけが強調される傾向にある。

 そういえば、DVについても、実際には訴えが少ないだけで言葉によるものなどを含めると女性から男性に向けられるものの方が多いなんていう調査結果もあるらしい。

 いつも悪いのは男性だけという風にしたいのだろうか。

</HR>

 さて、話を戻そう。以前のように20代で初産があたりまえならまぁ学校全体で何人いるか・・っていう程度だったけども、これだけ増えてくると少し考えなくてはならない事態だろう。

http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h25hakusho/gaiyou/h1_01.html

 を見ると、特に先天的なものが大半を占めると思われる知的障害の方も増加傾向にある。出生数が減っている中での増加なので、これはかなり大きなことだろう。

 

 さて、こうした現実を前にすると「わが子が何らかの障害を背負って産まれてくる」ということは、最初からある程度覚悟しておくべきということになるだろう。ダウン症のようなわかりやすいものについては現在でも希望すれば妊娠中に検査できるらしいけども、それ以外のものについて全部調べろというのも無茶な相談でもある。(そもそも、命の選別をしていいのかという議論もあるけども)

 現実として、これだけ高齢出産が増えている以上、やはり産まれてくるのが健常児だという前提で考えていてはいけない世の中になったと思った方がいい。「都合の悪いことは起こらない」と暴走し、泥沼の戦争に陥っていったような真似をしてはならないだろう。

 

 障害児本人らに対する理解、現在障害児のおかれている状況、親と子の間の難しい関係(親が先に死んで、子供が残されるという現実を含め)、さまざまな支援や教育の体制(市区町村による差異も当然あって、たとえ引っ越しても移り住んだ場所のサービスは適用されなかったりするというのも、知らない人には盲点だったりするだろう)など、その他もろもろのことについて、勉強し、それなりの心構えを持っておくべきだろう。

 

 こういうことを書くとどうしても人は上から目線になりがちだ。24時間テレビなどでの障害児の扱いの胡散臭さ、偽善っぽさというのは、理解というより哀れみの感情から出ているような気がする。どうしても他人事、端的に言えば、上から目線な雰囲気だ。

 自分の子だったら・・・自分自身がそうだったら・・・といった、同じ目線で物事を考えているようには到底思えない。その点ではどちらかといえば、NHKのバリバラ

 http://www6.nhk.or.jp/baribara/

 などの方がリアルな番組作りじゃないかと思ったりもする。

結婚したければ、学生のうち

恋愛・結婚

 さて、これだけ現実というものが見えてきても、それでもなお結婚したいという、酔狂な人間はいるものだ。
 結婚したいと言っても、こればかりは一人ではできないわけで、相手が必要だ。では、その相手と知り合ったきっかけはなんだろう。これが先日の厚生労働省の調査にある。
 それによると、「職場や仕事」「友人、兄弟姉妹を通じて」「学校で」の3つで7割を越えている。
 あとは、「サークル、習い事」「街中(ナンパですね)」「アルバイト」「見合い」がだいたい5%づつ程度。
 婚活、婚活というけれど、実際に結婚しているひとは、比較的手近な環境でしか出会えてないということだろう。

 社会人になって、忙しい上に職場で知り合う機会がない環境だとしたら、サークルなし、ナンパなし、アルバイトなしということになる。もはや絶望的と考えたほうがいい。

 どうしても結婚したいなら、学生時代に、ちゃんと捕まえておけということになるだろう。もし、それができなかったなら、年頃の異性の多い仕事を選べということだ。
 お見合い…いわゆる婚活は、まず実を結ばないと思っておいたほうが幸せになれるだろう。

 そこまで結婚に拘る必要があるのかということには疑問を感じるけれどね。

”好きな人と一緒にいられる”ことは結婚のメリットにはならない

恋愛・結婚 男性・女性

厚生労働省の「出生動向基本調査」の結果である。 

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138824.pdf

 

色々データはあるけど、「図表Ⅰ-1-6 調査別にみた、各「結婚の利点」を選択した未婚者の割合」を見ると、結婚の利点が

1)子供や家庭が持てる

2)精神的安らぎの場が得られる

3)親や周囲の期待に応えられる

という具合に続くけど、2)が減少方向で1)と3)がかなりの増加傾向

更に女性の場合には

4)経済的に余裕が持てる

 がどんどん伸びていっている。女性の場合1)~4)のすべてが20%超えなのに対して男性は20%を超えるのは1)と2)だけ。

 「愛情を感じている人と暮らせる」っていうのは結構ありがちなパターンかと思ったら14%前後しかいない。一緒に暮らすことがメリットとは考えられていないということだだろう。しかも2)の項目と連動するように下がっている。

 まり、家庭に精神的な安らぎを感じたり、愛情を感じている人と過ごせるなんていう、いわゆる「幸せ一杯新婚カップル」な感覚は現代にはまったくそぐわなくなり、より打算的に結婚というものが捉えられるようになったということだろう。

 

 1)が何故メリットなのかはわからないけど、3)とセットにして考えると「まだ結婚しないのか、子供はまだか・・・」みたいなプレッシャーが強くなっていて、それが解消されるからだと考えるとわかりやすそうだ。

 

 つまり、現代の結婚は、単に承認欲求を満たしたいだけ、つまり自分が”結婚した”、あるいは”子供を持った”という事実が欲しいだけ(女性の場合にはこれに加えて「金が欲しい」だけ)ということだ。

 

 ついでに「図表Ⅰ-3-4 調査別にみた、結婚相手の条件として考慮・重視する割合の推移」を見ると、これまた女性の強欲さが良く現れている。

①人柄 ②経済力 ③職業 ④容姿 ⑤学歴 ⑥家事・育児の 能力 ⑦仕事への理解 ⑧共通の趣味

 とあるうち、「考慮する」とした項目は「学歴」が50%代なだけで、ほかはすべて70%を超えていて、90%台が4項目もあるという具合。あれもこれも、全部!という、貪欲・強欲さ・・・まぁ自分のことは棚に上げて言いたい放題、わがまま放題という雰囲気が良く伝わってくる。

 

 こうした結果をじっと見ていると、結婚して協力していこう、夫婦で一緒に頑張っていこうなんていう思いはまったく伝わってこない。

 そういえば、婚姻中の女性で「夫と同じ墓に入るのは嫌だ」という方が1/3もいるという話もある。男性は割りとロマンチストが多くて、リタイヤした後は墓の中まで一緒にいられると思うようだけど、現実はそんなものなのだろう。

 

 男性にとっての結婚は空想や妄想に多大な金をつぎ込む、道楽浪費のひとつでしかないのだろう。いわば、キャバ嬢やホステスさんに財産のほとんどをつぎ込んでいるのとそれほど変わらないのだということを自覚した方が良いのだろう。

 もちろん、それでも本人が楽しく幸福感を持っているならそれでかまわないことではある。ただ、こうしたことを是と考えない男性が増えてきたとしても、それは単に男性が賢くなっただけのことである。

 結婚したがらない男性を非難するのはまったくもって筋違いというものだ。

「男女の賃金格差」の胡散臭さ

男性・女性

 さて、これまたあちこちで目にするのが「女性の平均所得が男性の7割程度だ。これは差別によるものだ」という類のもの。

 先日も引用させてもらった、ビジネス誌「プレジデント」のサイトの記事にあった正規社員の平均年収グラフ

http://president.jp/articles/-/20926?page=4

 を見ると、未婚者に限ると男女とも同じようなカーブを描いている。20代で250万円前後で、50歳あたりで500万程度と、ほとんど変わらない。

 大きく違うのは既婚者の平均で、男性が680万円程度まで上がるのに、女性は未婚者よりも下がっていって400万円に届かないくらいとなる。これは正規雇用だけのデータなので、いわゆる「女性は非正規雇用が多いから」というのは当てはまらない。

 年齢が上がれば既婚者の比率が高くなっていくので、「平均」した賃金格差は広がるのはこのグラフから見ても一目瞭然というところだ。

 

 さて、ここでニューズウィーク誌のサイトにあった年収別の生涯未婚率

http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/09/post-3882_2.php

を見てみる。

非常に良くわかる傾向として、男性が収入が高いほど未婚率が低く、逆に女性は未婚率が上がるという傾向が見られる。

 もちろん、これだけだと「結婚すると高収入をめざさなくなるから」とも言えそうだけど、

ここに、男女の職業別の未婚率

http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/09/post-3882.php

をみると、もともと高収入な職についている女性は結婚しないん(あるいはできない)んじゃないかという予想がでてくる。

そして、男女別の職業を調べた、内閣府の調査

http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h25/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-05.html

を見ると、女性の場合、一般事務やサービス職が非常に多いなど、職業に偏りが見られる。男性がほぼ万遍なくいろいろな職についているのとは対照的である。

そして、職業別の賃金は?というと、ちょっと手ごろなものが無かったので結構適当だけど

https://www.hatalike.jp/h/r/H1ZZ280s.jsp?hp=%2Fresearch%2Findex.html&noRedF=1&__u=1489191898724-2303909657631850434

こんな感じで、一般事務というのはあまり給与水準は高くない。どちらかというと女性に敬遠されがちな「ガテン系」は高い水準にあったりもする。

 

 ということから整理すれば、この男女の賃金格差というのは、職業ごとの賃金の差が反映されているのだと言う方が正しいだろう。

 

 既婚女性の賃金カーブが下がっているのが問題だという向きもあるかもしれないが、そもそも「職業」による差があるのは当然であるし、仮に同じ職業であっても、既婚女性の場合、男性のように大黒柱的な役割を期待されることもないのでそれほどあくせく働く必要性がなかったりもするだろう。いわゆる「家庭との両立」となれば、やはり目先の収入より少し時間の融通がきくような職種を選ぶというのも頷ける。もちろん、バリバリとキャリをを積みたいという層もあるだろうが、近年特に若い層に広がっているといわれる専業主婦志向や、現実に仕事から逃げるための結婚を夢見ている層が相当程度いる。

 バリバリキャリア志向以外はおかしいなどと言うのは、全体主義のようなものだ。

 

 こうしたことを踏まえて改めて考えてみると、高収入な男性と低収入な女性が結婚する形になるので、既婚者の平均年収が下がるのはあたりまえだ。そして、中間層あたりになるので、未婚者の男女の収入差は小さくなることになる。

 抜けていく(結婚していく)人が増えるほど男性の平均給与は下がり、女性の平均給与が上がるという形になることから考えると、アラサー、アラフォーな女性が「(主に収入面をとりあげて)良い男性がいない」というのも至極当然なことである。

 

 もし、女性が配偶者の収入を期待する結婚をしたいなら、若いうち・・つまり自分の給与が上がっていく前にしたほうが賢明であるということになるだろうし、ある程度年齢がいったなら、自分と同等、またはそれ以下の収入の男性を視野に入れなければ駄目ということになる。

「未婚男性は短命」は本当か

恋愛・結婚 男性・女性

 良く目にするのが「未婚男性は既婚男性より寿命が8年くらい短い」というもので、「だから結婚した方が良い」という結論に導くというもの。もっともこれは少し間違いがあって、「既婚」ではなく「有配偶者」としたほうがいい。

 この理屈にどうも疑問を感じるので調べてみた。

 

https://www.asahi-kasei.co.jp/arc/service/pdf/824.pdf

 の表1を見てみよう。実は離別(つまり、離婚)した場合、未婚者よりも余命が短くなるという傾向が見て取れる。一方女性の方はむしろ伸びるというのだから、「家族のために・・」なんて頑張っているお父さんはまったくもって報われない。

この統計で注目しておくのは、平均余命の推移だ。1955年から1995年の間で、平均余命は

有配偶男性:+7.0歳

死別男性  :+9.0歳

離別男性 :+4.5歳

未婚男性 :+12.9歳

ということで、未婚男性の余命の差が6歳程度も縮まっている。さまざまな要因が考えられるけども、1980年から1985年くらいにかけて急に差が縮まったところが面白い。

 現在、結婚しても1/3くらいは離婚してしまうようだけど、それを加味すると、結婚した人と未婚の人の寿命の差は5歳くらいになってしまう。

 

 ところで、「平均」という言葉はかなり注意が必要だ。確かに数学的な意味では平均値が取れるけれど、それを「母集団全体がそのような属性を持っている」という風に勘違いしてはいけない。たとえば、年収1000万円の人が10人ずつ地区Aと地区Bに住んでいて、ここに年収500万円の人が10人、B地区に住んだとしたらそれぞれの平均年収はAが1000万円のままなのに対して、Bは750万円となる。でも、だからとちって、B地区にもともと住んでいた人の年収が下がっているわけではない。

 同じ理由で、他の条件が同じなら同じ余命・・すなわち結婚しているか否かに関係ないはずなのに、結婚していない側に短命な人の割合が増えればその分、平均余命は短くなる。

 このため、たとえば結婚しているのかどうかというのが大きな要因だというためには、他の要因による影響が無いようにしなくてはならない。

 では、今回の場合「他の要因」は無いのだろうか。ここですぐに思い浮かぶのが年収だ。男性の婚姻率と年収に相関関係が見られるということからもわかるとおり、未婚者と既婚者では平均年収が違うだろうということは容易に想像できる。

 そこで、年収と寿命の間に相関があるのかを検索してみると、米国での調査結果が見つかった。それによると、年収の上位10%と下位10%では平均寿命に10歳の差がある。この差はほぼ年収に比例する。つまり、ちょうど中間あたりの層を基準にすると年収によって±5歳程度変化があるということだ。

 そして、未婚者と既婚者の間の年収がどうなっているか探すと

http://president.jp/articles/-/20926?page=4

 という、面白いグラフがでてきた。

 未婚者の場合、男女の年収格差はほとんど無い。既婚男性は未婚男性よりも圧倒的に収入が高くなる。一方、女性は既婚者のほうが低くなる。「男女の年収格差」の実態についてはまた別の機会にしよう。

 

 ここからわかるとおりで、平均年収が高い層が結婚しているため、「婚姻中」の層の方が平均年収が高くなる。そして「年収と平均寿命」の関係と重ね合わせれば、婚姻中の人の平均寿命が長いという結果がでるのは至極当選である。

 つまり「婚姻中か否か」という属性によって、平均収入に差のあるグループを作り出していたということだ。

 

 それでもなお「内助の功」を主張するのもまた自由ではある。ただし、平均寿命の伸びが未婚者を大きく下回っているという現実をみれば、その功は今のお年寄り世代よりはるかに小さくなっている、つまり以前のような貢献度は無いという結論には同意せざるを得ないだろう。

 

 結婚したからといって、寿命が延びるわけでもないし、結婚しないからといって寿命が縮まるというものでもないと言うより無いだろう。

 しかも、ものの調査によると、仕事中より家庭にいるときのほうがストレスを強く感じているらしい。女性の場合、離別したほうが平均寿命が延びるというのもこのことが指摘されている。実は同じことが男性についても言えるのではないだろうか。

 

 つきつめてしまうと「結婚とは命を削って幸福感を得ようとするもの」ということになる。身も蓋もないどころか、まるで薬物中毒のようなものだという結論になってしまうけど、それもまた事実として受け入れざるを得ないかもしれない。